繰り返しになりますが、内容証明郵便は「どんな内容の手紙を、いつ相手に出したか」ということを郵便局が証明してくれる郵便物です。
例えば、債権譲渡の際、譲渡人から債務者に対する通知も「確定日付のある証書」で行うよう民法に定められており、内容証明郵便で債権譲渡の通知を行うのが通例です。
その他、契約解除、消滅時効の中断などを行う場合も同様です。
これは、内容証明郵便の「送った日付の証明」という効力を活用した例と言えるでしょう。
これとは別に、例えばAがBに金銭を貸し、その後、Bが一向に返済する様子もない為、仕方なく、Bに貸金返還の内容証明郵便を送ったとします。
受け取ったBは、受け取ったことによって、金銭を返済する強制が生じるわけではありませんし、返事をする義務もありません(例外あり)。
しかしながら、受け取ったBの心境はどうでしょうか?
強制力はないと言っても、心理的に動揺するでしょうし、ケースによっては「返済に応じない場合は、裁判を起こす・・・」というような一文でも記載されていれば、軽々に無視もできないでしょう。
(実際に返済に応じず、返事もしなければ、相手が訴訟を起こすこともありえます)
そして、後々厄介なことになる前に、返済に応じるということも多いかと思われます。
これは、相手に心理的動揺と威圧を与えるというもう一つの効力と言えます。
このように、内容証明には、「送った日付の証明」という効力と「心理的動揺と威圧を与える」効力の大きく2つの効力があります。
単に手紙という郵便物にしか過ぎなくても、これらの効力を理解したうえで使えば、自身が抱える問題を最小限のコストや手間で解決できる有効な手段になりえるかと思います。